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骨髄移植のメリットとデメリット

骨髄移植のメリットとデメリット

骨髄移植というと、『骨髄』=『骨』を移植するというイメージを持つ人もいるようですが、そうではありません。 骨の中にある骨髄という液を、注射器で抽出して移植します。 血液の病気の患者さんは、正常な血液をつくり出す細胞である『造血幹細胞』といわれる組織が侵されてしまっています。 正常な造血幹細胞を点滴によって移植することで、再び健康な血液をつくり出すことができます。 ドナー側は、腰の骨付近から全身麻酔をして、注射器で骨髄液を採取します。ドナー側の役割りはここまでです。

骨髄移植の困難さ

骨髄移植という言葉から受ける印象と、実際の負担との差を、多くの方に理解していただきたいと思います。

移植をうける患者さんは、二週間前から事前治療を開始します。ドナーがみつかった患者さんは、病に冒された造血幹細胞を全て壊す治療をします。 大量の薬の投与、放射線治療、それらの辛い治療による、激しい吐き気・全身の脱毛などの、強い副作用がおきます。 健やかな命の灯を取り戻すための治療をするのです。この治療の間患者さんは、骨髄機能が破壊され免疫力が低下するため、無菌室で治療を受けます。 移植の当日、ドナーから前もって提供された骨髄液を2〜4時間かけて静脈点滴します。 この点滴が骨髄移植です。移植後の患者さんは、移植された健康な骨髄液によって正常な血液がつくり出されるようになるのを待ちます。

感染症を防ぐためと、拒絶反応の観察の必要性から、無菌室で数日を過ごします。良好な経過をたどれば一般病棟に移り、その後退院、社会復帰ができるのです。 絶望から立ち上がって、辛い治療に耐える日々。ドナーがみつかるまでの辛抱強い待機。そして最後の闘いともいえる移植に際しての治療。 数々の山を越えて、骨髄移植の治療は成功します。

ドナー

多くの方が自分の血液型をご存知だと思います。その血液型は赤血球のもので、白血球にも同じように血液型があります。 それは[HLA型]という『ヒト白血球抗原』の略称です。一人ひとりに固有の、遺伝性の抗原です。 この型が、骨髄移植を成功させるかどうかの鍵になります。[HLA型]が一致する確立は、兄弟姉妹でいうと4人に1人です。 兄弟姉妹以外だと、数万人に1人という非常に稀な確立だということがわかっています。 そのため、全患者数のなかで骨髄移植を受けられるのはほんのわずかな患者さんということになります。

白血球の型が一致しても・・

更にHLA型が一致したドナー登録者の全ての方がドナーになってくださるわけにはいかないのが実情です。 ドナー登録時と健康状態が違っていたり、妊娠・出産などの諸事情が加わります。 ですから大半はHLA型(白血球の型)が一致しても、治療上骨髄液を提供していただけないことが多いのです。

具体的には、10人の適合者が見つかっても『骨髄幹移植』に至らないケースさえあるのです。 これは、骨髄バンクの登録者数が足りないことを示しています。 血液の病に苦しむ患者さんのHLA型とドナーの型とが一致して、『骨髄幹移植』が行われるということは、まさに奇跡だということです。

患者さん達にとって、ドナーは救いの神であり第二の産みの親とも言えるかもしれません。 1人でも多くの方が骨髄バンクにドナーとして登録してくださることが、待っている人達を救う手立てになるのです。

ドナーがみつかっても

型が適合するドナーがみつかっても、骨髄移植までの道のりは平坦ではありません。 病気や妊娠などの健康上の理由により、登録時と事情が変化する場合が多いためです。 このように、患者さんたちにとっての骨髄移植は、忍耐そのものといえるかもしれません。 それでも、健康を取り戻すには、骨髄移植による、健康な『造血幹細胞』が必要なのです。