臍帯血とは
臍帯血とは
臍帯血とは、『臍の緒を流れる血液』のことです。10月10日(とつきとうか)お母さんの体内で育つ赤ちゃんの命の綱、臍の緒。 その中を流れる血液は、母体が得た栄養をたっぷりと含んでいます。
新生児室で守られる元気な命。その陰に、白血病や再生不良性貧血などの血液の病を抱える患者さんがたくさんいます。 その患者さんたちが助かる方法は、長い間、骨髄バンクのドナーに頼るしかありませんでした。 骨髄移植では、ドナー(骨髄の提供者)と、患者さんとのコーディネートに時間がかかります。 そのために移植を待てない緊急な場合や、術後の快復が思わしくなかったりといったスムーズな対応ができない事態が起きていました。 それでも年間900例以上行われているという骨髄バンクによる移植。移植を希望しても、受けられないままの大勢の患者さんがいます。
血液細胞を作り出す細胞を、「造血幹細胞」といいます。その細胞を骨髄液と同様に多く含むものが、臍帯血なのです。 通常の出産の場合は不要となり、胎盤と一緒に処理される「へその緒」の中に臍帯血があり、「造血幹細胞」を多く含んでいます。 臍帯血を利用することにより、白血病や再生不良性貧血などで急な手術を余儀なくされる患者さんたちが、骨髄移植と同じ治療を行うことができるのです。 このように、臍帯血が持っているパワーは、お母さんが赤ちゃんを出産した後も、発揮されます。 またひとつ、人類が開発した「臍帯血移植」という発見。 この偉業の推進には、お父さん・お母さん・赤ちゃんのご家族の臍帯血保管に対する理解と、周囲の人々の温かい気持ちが欠かせません。
命について考える
ひとは生まれ、日々あたりまえのように暮らしています。 悩みや病気などといった苦しさを経験すると、空の下で過ごせる日常への感謝や、自由に街を歩けるありがたさにも気づかされます。 健康な自分の命が尊いものであることも感じるでしょう。 『自分が生きることで精いっぱい』とか、『助けて欲しいのはこっち』など、そのような考えも判る気がします。
今の、何でも値上げの世の中で生計を立てて暮らしていくことは、大変なことです。 現在の社会は、ストレス社会と言われ、常に強いストレスにさらされ、辛いのは自分だと感じる方は多いでしょう。 それでも、この瞬間、自分の命と向かい合い、必死の思いで闘う人々がいる事実を見つめてみませんか。 そのことを少しでも頭に入れて日常を過ごすことが、やがて何らかの形で「命の尊さについて考える」ことに結びつくもとになると思うのです。 自分がこの世に生を受けたことへの感謝。誰かを愛し、やさしさが身を結んで自分達の子供を授かる。 そのときにこそ、より深く命について考える機会を得ると思うのです。
命を救う臍帯血
あなたが女性なら、おなかの中に宿る我が子に常に栄養を送っている『臍の緒』を思ってみてください。 あなたが男性なら、おなかの中の赤ちゃんを想像してみてください。へその緒で母親とつながっていますね。 へその緒のことを思いながら、『臍帯血』について考えてみませんか。 『造血幹細胞』について話し合える関係の両親を持つことは、お腹の中の赤ちゃんにとって、とても素敵なことだと思うのです。
『臍の緒』も『骨髄』も、共通して持っているのが、白血病で困っている人たちを助ける、『造血幹細胞』です。 『臍帯血』は、臍の緒自体を使うのではないし、『骨髄移植』も骨を移植するのではありません。 『臍帯血』は臍の緒を流れる臍帯血を、出産が終わった際に臍の緒から注射器で採取します。 妊婦はもちろん赤ちゃんにも、苦痛はありません。
『骨髄移植』は、髄液の型が患者と一致したその時点で、骨髄液を医療機関で採取するのです。 骨髄バンクに、ドナーとして登録、待機するかたちになります。 命を救うのは、私達のちょっとした意識の変革から始まります。あなたの身体には、健康な『造血幹細胞』が息づいているのです。 ママとなる女性も、パパとなる男性も、臍帯血の保管と一緒に『骨髄バンク』への登録を考えてみてはいかがですか?
臍帯血が取れたなら
不治の病といわれた白血病を救う、骨髄バンクの存在意義をご存知の方は多いでしょう。 しかし、平成12年に公的機関として発足した臍帯血バンクは、まだまだ広く知れ渡っているとはいえません。 臍帯血の摂取が早くから確立されていればと、多くの方が考えているでしょう。 白血球の型(HLA型)が、骨髄バンクドナーの型と一致しないために、元気な命を取り戻せなかった多くの人達がいます。 臍帯血の公的バンクのことを知っていれば、多くの心ある妊婦さん達が、臍帯血保管を望んだことでしょう。
骨髄移植と異なって、ドナーに対する負担が全くない、臍帯血による「造血幹細胞」移植は、確実に増えてきています。 赤ちゃんを出産した直後のお母さんの協力なくしては成立しないのが、臍帯血による「造血幹細胞」移植です。 自分の子どもをお腹の中で育てた『臍の緒』が、血液疾患で苦しむ方の体内で活躍して病める命を救うことを考えると、「前から臍帯血が採れたなら」「自分が出産した病院の産科医が少しでもその話をしてくれたなら」・・・そう思う女性は多くいるでしょう。 〜母性愛〜こそ、人類を救い育てる最初で最後の砦、そしてその母性を支えるのが男性の広い愛情です。 出産に際し、命に対しての夫婦の考えこそが、臍帯血が採れなかった時代の分まで、臍帯血による、「造血幹細胞」移植を広める鍵を握るといえるでしょう。 いま立会い出産が増えてきています。分娩室で「造血幹細胞」が多く含まれる臍帯血を臍の緒から採取する瞬間を見守ること、もう一つの命への贈りものですね。
